-報告- 2025/11/22 青柳拓次 Solo Guitar Concert [山梨]listude


2025年11月22日、listudeの森では音楽家の青柳拓次さんをお迎えし、前回初演につづく2回目のコンサートを開催いたしました。







昨年、デビューから34年を迎えリリースされた、拓次さんの原点とも言える初のソロギター作品『海のなかの湖』。今回は、そのアルバムの楽曲を中心に演奏を聴くことができました。
ぴんと張り詰めた空気の中で、柔らかくしなやかに奏でられる6弦ギターの音は、まさに魔法のように様々な音色を奏で、深く私たちの心のなかにしっとりと沈みこむような余韻を残していきました。
だんだんと暗くなる森を背景に、空間と音色が一体化し、自分の存在を忘れてしまいそうな、そんな集中に満ちた演奏会は、なかなか体験できるものではありません。

そんな瞬間の音を捉えるべく、今回はlistudeの森でもうひとつのイベントとして、神奈川・大磯SALOから音響技師/井口寛さん主催の「フィールド・レコーディング講座」が同時開催されておりました。

11名の参加者の方はライブ当日の午前中から、listudeの森に集合し、フィールド・レコーディング講座の講師/柳沢英輔さんのフィールド・レコーディングによる講義を受講。「フィールド・レコーディング」とは一体全体どういうものなのか?どういう風に録音しているのか、またその意図は?などをじっくりと学び、理解を深めていきました。
講義のあとは、SALO食堂から料理人/西野聡さん、助っ人/中山翔太さんが作る小田原の海の幸がふんだんに詰まった海苔弁当を食べ、いよいよ録音の実践スタート。
拓次さんのリハーサルの時間から、各々録りたい音のイメージを膨らませながら、ホール内はもちろん外に立てたスピーカーからも音を確かめつつ、録音ボタンを押し始めます。









外に立てたスピーカーからも、拓次さんの穏やかな音色が森の中にさりげなく響いて、今までに味わったことのないコンサートの楽しみ方を感じた方もいるのでは、と思います。
鳥の声、葉がそよぐ音、落ち葉を踏みしめる誰かの足音、遠くの飛行機…いろいろな音が一緒に耳の中に飛び込み、それらがまるで共鳴しあっているかのように聴こえる不思議な感覚。こればかりは、きっと実際に体験してみないと分からないかもしれません。


たくさんの素晴らしい演奏と、森の音色に心奪われながら、コンサートは終演となりました。


そのあとは、講座参加者の方々と拓次さんや柳沢さんらも交え、SALO食堂による嬉しいおもてなしの数々に舌鼓を打ちながら、夜も更けていきました。

コンサートは1日だけの開催でしたが、「フィールド・レコーディング講座」は2日間に分けて行われました。
コンサートの翌日、朝から集まった参加者の皆さんは、昨日録音した音を自分なりの視点でひとつの作品にするべく、真剣にパソコンと向き合い編集作業を。お昼には、拓次さんと柳沢さん、井口さんによる音楽や録音に関するトークをSALO食堂の美味しいお弁当を食べながら聞き、いよいよ午後は作品発表の時間!




ひとりひとり、作品の意図や録った音のシチュエーションを話しつつ、ホールに吊られた”scenery”6台から作品を再生し、みんなで鑑賞。
同じ場所、同じ時間で録音ボタンを押しはじめたはずなのに、誰もが違う視点を持ち、唯一無二の「フィールド・レコーディング」を行っていたことに、驚きと発見がありました。

人の声にフォーカスしたもの、この1日を表現したもの、沈黙がテーマの作品まで(!)。発想豊かな参加者の方の作品たちに、今まで気づいていなかった森の音を気づかせてもらったように思います。



コンサートホールで聴くコンサートも、とても素敵で代え難い体験ですが、すこし視点を変えてまわりの音にも同じように耳を向けてみると、それは自分だけの特別なコンサートになるのかもしれません。


青柳拓次 Solo Guitar Concert
2025年11月22日(土)
15:00 開場
15:30 開演
17:00 終演

-出演-
青柳拓次

-ドリンク-
西野聡 from SALO

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同時開催:フィールドレコーディング講座「静かな森で耳を澄ます」第四回
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音に意識を集中する、ありそうで実は滅多にない機会です。日常では視覚と聴覚が連動して出来事を知覚することがほとんどですが、本講座ではフィールドレコーディングという営為を通して「聴くこと」に身体ごと向き合います。環境に潜む振動を拾い上げ、録音装置が増幅した音を聴くことで、身体と場の新たな関係性を見出していきます。

本講座は、大磯で音と場の実践を続けるSALOによる「出張開催」というかたちでlistudeの森のホールにて実施されます。SALOがもたらす場づくりの視点と、listudeの静かな森が出会う特別な機会です。メイン講師に柳沢英輔(『フィールド・レコーディング入門 響きのなかで世界と出会う』著者)を迎え、フィールドでの録音実践を通じて、環境音と身体の新たな関係性を探ります。
特別に、当日の青柳拓次のソロ演奏を録音素材として扱う許諾を得ており、講座参加者は音楽を「録る」「聴く」「編集する」というプロセスを通じて、フィールドレコーディングの視点から音楽を再発見することができます。

1日目(11/22):講義+フィールド実践(森の中での録音)
2日目(11/23):編集、発表・ディスカッション

共催:listude
主催:SALO

写真:中山翔太

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