
NYを拠点に、ジャズ、即興、電子音響、現代音楽を行き来しながら、独自の作品を生み出してきたインディペンデント・レーベル、Red Hook Records。
レーベルを立ち上げたSun Chungは、それ以前の約10年間、ドイツの名門レーベルECMでプロデューサーとして数多くの作品制作に携わってきました。
ECMで培った経験を礎としながら、Sun Chungはより自由な出会いと制作の場を求め、Red Hook Recordsを新たに始動させます。
その第一作として発表されたのが、日本を代表するジャズ・ピアニスト、菊地雅章の最後のスタジオ録音『Hanamichi – The Final Studio Recording』でした。
ECMからRed Hook Recordsへ。
そこでは、何が受け継がれ、何が新しく始まったのでしょうか。
この夏、Red Hook Records設立5周年記念コンピレーション・アルバム『Peace Anthems』のリリースを機に来日するSun Chungを迎え、listude Forest Hallでリスニング&トークセッションを開催します。
トークゲストに迎えるのは、音楽評論家/文筆家の原雅明さん。
原さんは、著書『アンビエント/ジャズ――マイルス・デイヴィスとブライアン・イーノから始まる音の系譜』において、ジャズとアンビエントの交差をたどりながら、ECMの音作りや静寂の美学、菊地雅章の音楽について考察しています。
また、Red Hook Records設立当初から、創設者Sun Chungへのインタビューを通して、その作品と思想を日本に紹介してきました。
今回のトークでは、Sun Chungがプロデューサーとして在籍したECMでの経験、菊地雅章の最後のスタジオ録音から始まったRed Hook Recordsの歩み、そして録音、空間、静寂をめぐる2つのレーベルの思想について、原さんとともに掘り下げます。
後半は、コンピレーション・アルバム『Peace Anthems』を実際に聴きながら、その制作背景や作品に込められた思いについて伺います。
「平和の追求」をテーマに掲げた本作には、異なる世代と背景を持つ13名の音楽家が参加。平和を一つの言葉や理想として語るのではなく、それぞれが生きる場所や歴史、記憶と向き合いながら、音によって表現した作品が収められています。
ECMが築いてきた録音文化と、その先に生まれたRed Hook Records。
2つのレーベルを手がかりに、音楽を録ること、作品を残すこと、そして聴くことについて考える一日です。

Sun Chung(サン チョン)
1982年5月18日、サンフランシスコ生まれ。父親は国際的に活躍する指揮者・ピアニスト、チョン・ミョンフン(Myung-Whun Chung)氏。2001年、NYに移住。ニュースクール(NYC)でジャズ・ギター、NEC(ボストン)で作曲を学ぶ。元ECMのプロデューサー。ECM創始者マンフレート・アイヒャーのもとで長年経験を積み、レーベルの美学と静寂の音空間を熟知。2021年に独立し「Red Hook Records」を設立。多様なルーツを持つアーティストによるジャンル横断的なコラボレーションや、現代ジャズの最前線となる作品を精力的にプロデュースしている。

原雅明(はら まさあき)
音楽評論家・音楽レーベルrings主宰者。長年にわたりジャズやエレクトロニック・ミュージック、現代音楽の境界領域を探求し、音楽誌やライナーノーツ執筆、ラジオ等を通じて先端的な音楽シーンを紹介。執筆の傍らプロデューサー、LAのネットラジオ局の日本ブランチdublab.jpのディレクターも担当。ホテルの選曲やDJも手掛け、都市や街と音楽との新たなマッチングにも関心を寄せる。早稲田大学非常勤講師。著書『アンビエント/ジャズ――マイルス・デイヴィスとブライアン・イーノから始まる音の系譜』、『Jazz Thing ジャズという何か』ほか。

Red Hook Records
2021年に元ECMのプロデューサーであるサン・チョン(Sun Chung)が設立した新鋭レーベル。ECMの美学を受け継ぐ高音質なサウンドクオリティと、静寂を活かした空間表現を誇る。ジャンルの境界を越えたジャンル横断的なコラボレーションや、異文化間の新たな出会いをテーマに掲げ、アコースティックとエレクトロニクスが融合する現代的かつ冒険的なジャズ作品を多数輩出。故・菊地雅章の遺作『花道2』のリリースや、ジェイソン・モランやマーカス・ギルモアらが参加する意欲作など、現代のクリエイティブ・ミュージック・シーンにおいて独自の存在感を高め続けている。
ECM Records(Edition og Contemporary Music)
1969年にマンフレート・アイヒャーが独・ミュンヘンで設立した名門ジャズ・レーベル。透明感のある高音質と洗練されたジャケットデザインで独自の美学を確立。マル・ウォルドロンの第1弾を皮切りに、チック・コリアの『リターン・トゥ・フォーエヴァー』やキース・ジャレットの『ザ・ケルン・コンサート』など世界的大ヒット作を輩出。70年代のソロ・ピアノブームを牽引し、パット・メセニーも長年代表作を残した。米欧問わず多彩な名手を擁し、84年には「ECM New Series」を始動して『オフィチウム』などのヒットを生むなど、今なお音楽シーンに大きな影響を与え続けている。
Red Hook Records LISTENING & TALK SESSION
「ECMからRed Hook Recordsへ–録音、静寂、空間の思想は、どのように受け継がれ、更新されたのか–」
2026年8月30日(日)開場 13:00/開演 14:00
– ゲスト –
Sun Chung(Red Hook Records)
原 雅明(音楽評論家/文筆家)
– 進行 –
鶴林万平(listude)
– 料金 –
一般 3,000円(ワンドリンク別)
学生 1,000円(ワンドリンク別)
※対象:大学・専門学生・高校生以下
– 予約 –
– 定員 –
50名限定
– 場所 –
listude Forest Hall(山梨県北杜市大泉町谷戸7543)

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