listudeが5月から6月にかけて行った3つのイベントたち「初夏の三奏」ラストのイベントはパーカッショニスト・相川瞳さんとピアニスト・林正樹さんによるデュオコンサート「Ten To Sen」でした。


梅雨入り直前のしとやかに雨が滴る日曜日、車で颯爽と到着された相川さんと林さんは、listudeのホール内では今まで見たことがないくらいたくさんの楽器をテキパキと運び込まれ、セッティングも順調に行われました。


相川さんの楽器たちは、マリンバ、グロッケン、シンバル類、バスドラム、タムタム、オクタバン、スネア、小さめのドラまで!小物としてトライアングルやウッドブロック、チャイム系なども所狭しと並べられ、圧巻の見応え。今回、林さんはグランドピアノを使用され、ひとたび2人が音を鳴らせば、雨も吹き飛ぶような勢いと迫力に圧倒されました。




相川さんのリーダー作2作目となる今作「Ten To Sen」。マリンバが中心となるこのアルバムは、しなやかに聴こえる音色とリズミカルに予測不能な音の輝きを楽しませてくれる楽曲たちが収録されています。




相川さんのパーカッションと見事なコラボレーションを果たすのは、林正樹さん。即興的にさまざまなアプローチにも対応できる引き出しの多さには、いつもながら脱帽しつつも、丁寧で確かな響きに安心感とドラマチックさ、そしてお人柄のユーモアをプラスし、聴く人を楽曲の世界へと心地よく誘うピアノが印象的でした。






アルバム「Ten To Sen」からだけではなく、listudeがsonihouse時代に行ったイベント『家宴 vol.21「1√2 白銀比」』きっかけで林さんにつくっていただいた楽曲など、ここならではのセットリストも楽しむことができました。

おふたりのあまりにも息のあった演奏から、「Ten To Sen」ツアーで各地を回られてきたことで熟成した音色に違いない、とふんでいたのですが、後日相川さんと林さんにご出演いただいたPodcastにて、ライブ自体はそこまで作り込まず、今そこにある楽器などもインスピレーションで使用し、即興的にあわせながら、その場で音色をつくり上げているものだったというお話を聞き、改めて2人のプロとしての音楽性の確かさ、そしてあの時にしか生まれなかった貴重な音楽だったのだな、と感じました。




雨天だったということもあり、普段は開けているlistudeのホール内の窓もこの日は締め切っての演奏会でした。しかし、そのおかげで一音一音がまるで輝くような粒の美しさを際立たせ、より凄みのあるぐっと集中した時間を過ごすことができたのではないでしょうか。そして、そんな演奏の合間に、屈託なく自然体でお話される魅力的な姿に、会場中の誰もが心奪われ笑いあり、感動ありの密度の濃い演奏会となりました。

今回、listudeとしても山梨へ拠点を移してから初めてのボリューム感で行った5、6月の「初夏の三奏」。この土地で、まだまだ知らないことだらけの中、手探りで開催したイベントでしたが、良いアーテイストの皆さま/お客さま/スタッフに恵まれ、ここだけでしか体験することのできないlistudeならではの音楽空間を作ることができたのでは、と思います。
初夏に聴いた音の喜びをそのままに、次の季節もどんな音が待っているのか、今からとても楽しみです。
Ten To Sen|相川瞳 × 林正樹 Duo Live
2026年6月7日(日)
14:00 開場
15:00 開演
17:00 終演
– 場所 –
listude Forest Hall(山梨県北杜市大泉町谷戸7543)
– 写真 –
白倉美織