-報告-2014/4/19〜5/11 KYOTOGRAPHIE「火星 – 未知なる地表」@京都文化博物館別館

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華やかな春を迎えた美しき日本の古都、京都を舞台に、伝統文化と現代アートの融合を図る唯一無二の国際写真フェスティバル「KYOTOGRAPHIE」。アーティスト高谷史郎氏のインスタレーション「火星 – 未知なる地表」にsonihouseのスピーカーが使われました。


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今年度のKYOTOGRAPHIEは、「Our Environments~私たちを取り巻く環境~」をテーマに、
その規模は家族の風景という身近なものから火星の表層という宇宙規模のものまで、
普段特別に意識することの少ない様々な環境について、写真を通して考えていく試みでした。
京都文化博物館別館で公開された『火星-未知なる地表』では、
NASAの火星探査機に搭載されていた高解像度カメラが7年間に記録した火星の地表の写真を
アーティスト高谷史郎氏がインスタレーションにより展示しました。
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会場では、9点の高精細画像が両壁面に展示されており、
ソニーの4Kの大画面高解像度ディスプレイ(6m×4.4m)とともに
4台の2面体スピーカー”scenery”を設置しました。
30億年の時間をかけ風によって形成された驚くほどの美しい風景が
ゆっくりとモノクロの縦線に変容していき、再び火星の地表に戻っていくビデオ・インスタレーションは圧巻!
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サウンド・デザインを担当したのは原 摩利彦。
アナログに録音された環境音なのか電子音なのかわからないゴゴゴ・・・と響く重低音は、
凹凸の手触りすら感じさせるリアルな画像がモノクロのデジタル信号に変化していく映像と同じように
自然なのか、機械なのか、不思議な感覚を行き来します。
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展示期間中は、作品を横になって鑑賞することができ、
視覚、聴覚ともに刺激の強い作品でありながらも不思議と心地よく、
長時間楽しまれるお客さんもたくさんいらっしゃいました。
最新技術で撮影されたノンフィクションの被写体を
高解像度の大画面と無指向性スピーカーで”体感”することは、
未知のものへの興味に終わらず、賛美と畏怖の想いを同時に感じるものでした。
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また、会期中の5/4は、同作品にてメディアオーサリングを担当する古舘 健と、
サウンド・デザインを担当する原 摩利彦による一晩限りのスペシャルパフォーマンスを行い、
sonihouseは音響を担当しました。
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(Photo by Yoshikazu Inoue http://fotologue.jp/inoue-yoshikazu/
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(Photo by Yoshikazu Inoue http://fotologue.jp/inoue-yoshikazu/
原さんの音楽はパワフルに、ゆれるように。
映像では平面や立体が動き回ったり重なったりしながら、太陽に照らされて輝く岩場を次々と切り取っていくようでした。
古館さんの音楽はミニマルで、連続して出る映像の変化のタイミングがずっと掴めないまま魅入ってしまいます。
光の粒の動きだけで岩場の間を通り抜けていくような感覚でした。
LEDスクリーンに映るビジュアルと音楽が、
真っ暗な会場全体に正に打ち出され贅沢な一夜になりました。
今回は、文化博物館という趣のある空間で、音だけでなくビジュアル面でもスピーカーが映える展示となりました。
あらためて、素晴らしい機会をいただきましたことを感謝いたします!
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