-報告- 2024/1/27 MAKOTO SAKAMOTO Japan tour at listude

寒さも一段と厳しく、冬の真骨頂を告げる1月の終わり、ベルリン在住のサウンド・アーティストMAKOTO SAKAMOTOによるライブがlistudeにて行われました。
アンダーグラウンドに潜む見えない・聞こえないサインを捉えジャーナリズムに発信するベルリン拠点のドキュメンタリー&カルチャーマガジン「MOLS magazine」が企画する今回の一時帰国ライブは、Keiji Matsuoka(nuee)による液体を使ったライブドローイングと共に、聴覚からも視覚からも心地よい刺激を感じられ、現代社会における日々の緊張を優しく溶きほぐす、まさに「治癒」のような時間を感じることができました。



実はlistudeでVJが入るのはなかなか珍しく、セッティングの段階でも入念なチェックが行われ、本番に挑みます。今回2024年1月1日にリリースした新しいアルバム「emolient/エモリエント」を携えてのリリースツアーだったMAKOTO SAKAMOTOさんですが、「せっかくなのでlistudeでしかできないことがしたいと思って」と仰っていただき、あえてアルバム曲ではなく即興的なサウンドアート寄りな音楽ライブを披露してくださいました。





1部では、MAKOTOさんが卓上いっぱいのシンセサイザーを巧みに操り、VJのKeiji Matsuokaさんと共に行うライブ演奏を。休憩をはさんだ2部では、新リリースの「emolient」をライブ会場そのままに、listudeのスピーカーをはじめとした音響システムで聴く試聴会を行いました。

音にあわせ血液が脈々と流れるように、緩やかにしかし確実に変わっていく映像を作るKeijiさんと、それを横目で確認しながら即興的に音を重ねていくMAKOTOさん。2人のお互いを探り合う緊張感、それを見守るお客様の緊張感、それらが会場中に張り巡らされ、各々が各々の想いでその場の息遣いに飲まれていきます。
壁にうつる小さな色のゆらぎ、会場の四方八方から聴こえる音のゆらぎの中にただ身を任せていると、自分の中で渦巻くあらゆるうるさい雑音がだんだんと静かになり、不思議とぼうっと自身の中へ集中していく、そんな感覚に陥りました。




会場内では、食感と共に楽しめるヴィーガンスイーツを作るcirsqのスぺシャルスイーツと、オーガニックのダマスクローズをブレンドしたブルガリア産の赤ワインRose Qusheも販売され、たくさんのお客様に楽しんでいただきました。
現実で戦う鎧をしばし脱ぎ、五感すべてを開放し楽しむ会場の様子はとてもあたたかく、また明日から頑張ろう、と密かに思えるそんな余韻を持ち帰るライブでした。

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