雨のささやき Whispers of Rain | Ayatake Ezaki

先日、音楽家の江﨑文武さんがlistudeにて収録した音源が公開されました。

未来に残したい美しい自然の風景を、やさしい音色とアニメーションで描く『Green Music produced by Zurich』。雨の降る窓を眺めて物想いにふけるよう。こちらの音源の入ったアルバムも近日中にリリース予定とのことで、私たちも楽しみです。

収録の日は前日より、奈良のお店や親しい友人を交えて有意義な時間を過ごしました。江﨑さんと対話を重ねるうち、考えたことを以下に記しておきたい。

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江﨑文武
“Beyond the Music”

江﨑さんの活動の本質を表すのはこのポッドキャストだと思う。
江﨑さんは貴重な音楽家だ。音楽が素晴らしく稀有なだけでなく、貴重なのだ。
音楽だけの問題ではないが教育の問題は難しい。「今日これを話して明日こうなる」というわけにいかない。目の前の子供なり人に対して何かを期待してはいけない。何かが返ってくることはないということ。そういう前提のもとで何かをすることはとても難しい。それでも江﨑さんは音楽を実践する人から話を聞き、試行錯誤しながら考えることの意義について伝えようとしている。いわゆる”J-POP”のメインストリームど真ん中で、考えることを促す役割を自ら担おうとしている。

想像するに日々の制作やそれに伴う雑務に追われる中、音楽に没頭することのみを選ぶこともできる。周りもそれを望むだろう。「もっと年がいってからでもできることだよ」とも言われるだろう。そして音楽家が「言葉」を使うことのリスクもあるだろう。だからこそ今、言葉をもって考え伝える音楽家が貴重なのだ。

音楽を実践しながら考えることを促す若い音楽家がいることは音楽の未来への希望そのものだ。

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