“フォノイコライザー”とは、レコードに記録された音を本来の音に復元するための機器のことです。音源をレコードへカッティング(レコードに音溝を刻むこと)する時、そのままの音では低音は溝が太くなり過ぎ、高音は浅くなり過ぎるため、低音を小さく、高音を大きくした音でカッティングします。このイコライジング(音の周波数特性を変更する)・カーブは世界共通規格で「RIAAカーブ」と言います。レコードを再生する際は、その逆に「低音を大きく、高音を小さく」するためのイコライジングを掛けることで、本来の音を復元できます。その役割を果たしているのがフォノイコライザーです。
レコードを聴きたいと思い、プレーヤーを買ってアンプに直接繋げてみたけど、音が小さく「シャカシャカ」した音しか出ないと思ったら、それはフォノイコライザーを通していない可能性が大です。フォノイコライザーはプレーヤーとアンプの間に繋げて使います。
最近、フォノイコライザーを新たに導入しました。グラッフィックデザイナー 有山達也さんの「音のかたち」という画期的にかっこいいオーディオ本で素晴らしく音が良いと紹介されていました。
合研LABはオーナーがおそらくお一人で製品の製作から発送までをこなす、うちのようなガレージメーカーのようです。またオーディオ機器としてはびっくりするような手頃な値段だったこともあり、いろいろと気になって早速入手しました。
小さなアルミ筐体の佇まいはマニアックな雰囲気があっていい感じです。電源アダプターのプラグがフロントパネルにあるのもなんだかかわいく見えてきます。
気になる音の方は、見た目の潔い良いシンプルさと同じ印象で、キレがありボーカルや楽器がよりマイクに近づくようなダイレクトな感じがします。とは言えキツさや粗さを感じるわけでなく、フォノイコライザーの個性や演出のないソースにあるそのままの音という印象です。今まで使っていたフォノイコライザーと比べると「ナチュラルでなめらかなアナログらしい音」という演出された音を実は聴いていたのかと感じてしまいます。
手頃なのにこんなに良い製品があるなんて!何のつながりもないですが勝手に応援したくなります。フォノイコライザーをお探しの方はぜひお試しを!